PICK UP ACTRESS 森マリア
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
「24 JAPAN」で女性総理大臣候補の娘役
心やさしく明るい裏で秘密を抱えて
――世界的に大ヒットしたアメリカのドラマをリメイクした「24 JAPAN」に出演していますが、反響は大きいですか?
「そうですね。19年くらい前のオリジナルをお父さん、お母さんが観ていたので、一番喜んでくれました。あと、地元の母校の先生もすごく喜んでくれています」。
――マリアさんが演じているのは、日本初の女性総理大臣候補・朝倉麗(仲間由紀恵)の娘の日奈。いい子っぽさが出ていますね。
「日奈ちゃんはすごくいい子です(笑)。演じる上で立ち振る舞いは意識しますけど、私は昔から、なぜかお嬢様に見られることが多くて」。
――自然に演じられていると?
「実際はまったくお嬢様ではないですけど(笑)。神戸出身だから、そう言われるのかなとも思います」。
――日奈としての立ち振る舞いでは、どんなことを意識しているんですか?
「仲間さんやおばあちゃん役の水野(久美)さんのしゃべるスピードや丁寧さを勉強させていただいています。私が普段だとペラペラしゃべってしまうところを、ちょっとやさしく、早口にならないようにしています」。
――日奈はアップルパイを焼いて、お母さんに届けていました。
「私もアップルパイは焼けます。自分で作るのはああいうホールではなくて、1個1個の小さいのですけど、お菓子の中では得意なほうです」。
――他にもいろいろ作れるんですか?
「はい。実家では、妹やお母さんの誕生日にケーキを作ってました。私が小さいときに、お母さんがいつも誕生日ケーキを焼いてくれたので、それに憧れて、中学生くらいから『私が作る』と言ってました」。
――やっぱり日奈っぽいですね。オリジナル版のニコールに寄せるところもありますか?
「オリジナルはスタッフさんと顔合わせをする前にシーズン1を全部観て、ニコールは繊細なお芝居がグッと来るところが多かったです。そこを日本版らしく自然にできるようにしたいと思っています」。
――これから2年前の心の傷が出てきたりもするんですか?
「はい。だから、そういうことにまつわる映画を観て、勉強しました。初めのほうの日奈が明るくしているところでも、心の中に何かを抱えた二面性を含めて演じられるように気をつけました」。
――ふと思い詰めた表情が出たりもしてましたね。母親役の仲間由紀恵さんには、どんなイメージがありました?
「私は『ごくせん』世代なんです。小学生の頃にずーっと観ていて『ヤンクミが本当に私の先生だったらいいのに』と言ってました(笑)。でも、ヤンクミは激しい感じでしたけど、本当の仲間さんはおっとりされていて、親切に話し掛けてくれました。『大学はどう?』とか日常の話をしています」。
――本当にああいうお母さんだったら、どうですかね?
「緊張しちゃいますね(笑)。自分もしっかりしなきゃと思っちゃいそうです」。
――1日の話を半年かけて撮っている中で、気をつけないといけないこともありますか?
「髪型が変わらないことですかね(笑)。あと、撮影がビッシリ詰まっているわけではなくて、間が空いたりするので、すぐ気持ちを思い出せるようにしておきます」。
――普段から、お嬢様っぽくしていたり?
「それはちょっとできなくて、あぐらをかいたりしています(笑)。でも、歩くときに背筋を伸ばしたりはしていて。台本をほとんど毎日見ながら、イメージトレー二ングもします」。
――マリアさんの今までの人生で、こういう激動の1日はありましたか?
「中学受験の合格発表の日ですかね。人生が変わるのが目に見えてわかるじゃないですか。朝からドキドキしていて、一応ちゃんとした服を着て、お母さんと2人で見に行って。すごく緊張しましたけど合格していて、お母さんと泣いて喜びました」。
――1日24時間の中で、好きな時間帯というと?
「休みの日の昼前、10時とか11時ですね。休みでもわりと早く起きるんですけど、朝の用事が終わって、お昼ごはんの前に陽が昇って、ちょっと暖かくなってきたくらいに、窓辺でボーッとするのが好きです(笑)」。
学校がなくてもダラけないように
朝と夜にストレッチをしています
――「24 JAPAN」は深夜0時から物語が始まりましたが、それくらいの時間は何をしていますか?
「寝てます(笑)。11時くらいには寝るので」。
――20歳にしては早いですね。
「習慣です。ずーっと早寝早起きで、朝は遅くても8時には起きます」。
――夜遅くまで友だちとLINEしたりはしないと。
「友だちがあまり多くないので(笑)。妹とはよく電話します。2人とも夜の9時ごろに散歩するので、歩きながら電話しています」。
――3月に20歳になってからは、何か変わりました?
「ビールが飲めるようになりました。20歳になってすぐコロナが広がっちゃったので、1人で缶ビールを買って、ちょこちょこ練習していたんです。家族と乾杯できるようになったのが嬉しかったですね。大人の仲間入りをした感じがしました」。
――ビールは苦くて……とはなりませんでした?
「最初は『これがおいしいの?』と思いましたけど(笑)、今はおいしく感じます」。
――去年は家のベランダで家庭菜園を始めたとのことでしたが、今も続けていて?
「今年もやりました。ナスビ、トマト、ししとう、オクラと育てたんですけど、私の得意な気候ではなかったみたいで(笑)、ししとうとオクラ以外は枯れてしまって。ナスビは1回も実がなりませんでした」。
――気候が合わなかったんですか?
「それか、私がちょっとダメだったのか(笑)」。
――大学は今はオンライン授業ですか?
「そうです。全然楽しくありません(笑)。やっぱり友だちと会えないから寂しくて。学校が毎日ない分、ちょっとダラけちゃう気持ちがどうしても出てくるので、時間をかけてストレッチをするようになりました。朝と夜寝る前にやっています」。
――何か成果は出ました?
「気持ちのリフレッシュや切り替えはしやすくなりました。あと、体がちょっと柔らかくなりました。中学で3年間チアリーディング部で、もともと柔らかかったんですけど、硬くなってしまったので、戻そうと頑張っています」。
――クリスマスは盛り上がるんですか?
「みんなでごはんを食べに行くくらいですかね。でも、10月くらいにちょっと実家に帰ったら、もうツリーが出してあって準備万端でした。去年まではなかったんですけど、お母さんがいつの間にか買ったみたいで」。
――サンタさんにクリスマスプレゼントを頼むなら、何にしますか?
「えーっ、悩む……。大きくてもいいなら、今一番欲しいのは冷蔵庫です。上京したとき、ひとり暮らし用の小さい冷蔵庫を譲ってもらったんですけど、冷凍庫も小さくて、2リットルのペットボトルも入らなくて。お茶を沸かしても取り置きできないし、食材を入れて作り置きもしたいので、大きい冷蔵庫にできたら」。
――年末年始はどう過ごす予定ですか?
「実家に帰ったら、たぶんおせちを作らされると思います(笑)。下ごしらえで、ごまめのお腹を取ったり、栗きんとんを潰したり。味付けは母にこだわりがあるらしいので、あまりできないんですけど」。
――2021年に目指すことはありますか?
「来年もこの調子でドラマに出演できたらと思っています。あと、まだ映画に出演したことがないので、チャレンジできたら。とにかく演技力をつけないといけなくて、時間があるときに映画やドラマをたくさん観て勉強しています」。
――何か刺激になった作品はありますか?
「最近観たのでは『TENET テネット』がすごく面白かったです」。
――時間の逆行とか、理解できました?
「頭では難しかったんですけど、気持ち的にはわかりました(笑)。編集で逆再生とか使わず、実際に現場で逆行しているように演じていると知って、役者魂に感動しました。私もアクションにチャレンジして、回し蹴りとかしてみたいですね(笑)」。
――「24 JAPAN」は年をまたいで続きます。
「日奈のことで言うと、最初の絵に描いたようにやさしくて明るい家庭から、抱えていた秘密によってギクシャクしていきます。そこに向き合う家族の様子を、ぜひ観てほしいです」。
森マリア(もり・まりあ)
生年月日:2000年3月16日(20歳)
出身地:兵庫県
血液型:AB型
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「神戸美少女図鑑」の掲載をきっかけにスカウトされて、2018年にドラマ「Jr.選抜!標への道」(日本テレビ)の4話のヒロイン役で女優デビュー。ドラマ「ヤヌスの鏡」(FOD)、Twitterドラマ「#うたた寝」(スカパー!)、スカートの「遠い春」のMVなどに出演。ドラマ「24 JAPAN」(テレビ朝日系/土曜23:15~)に出演中。
詳しい情報は公式HPへ
「24 JAPAN」
詳しい情報は「24 JAPAN」公式サイトへ
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