FRESH VOICE ACTRESS 二ノ宮ゆい

FRESH VOICE ACTRESS 二ノ宮ゆい

PHOTO=城方雅孝 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「アイカツフレンズ!」で声優デビューから
来年1月のアーティストデビューが決定

 
 

――現在、高校3年生ですね。

「はい。学校では普通に女子高生らしくワーッとやってます。この前、文化祭があって、高校最後だから爪痕を残そうとバンドを組んでヴォーカルをやって、バキバキのアニソンを歌って、めちゃめちゃ楽しかったです」。

――楽しい高校生活を送っているわけですね。

「でも、私は根が暗いので、廊下で派手めな子たちが『今日どーするー?』みたいにチャラく話していると、横を通りたくなくて、わざわざ別のルートを行きます。『陰キャっぽいのが来たな』と思われそうなので、できるだけ関わりたくない」。

――そんなこと誰も思わないかと(笑)。夜はどうしているんですか?

「1人で静かなところにいると、どんどん暗くなっちゃうんです。『私はこれからどう生きていけばいいんだろう?』みたいな不安に駆られるので、ユーチューバーさんの面白い動画を観たり、仲良い友だちとLINEのグループ通話をして、寝落ちすることが多いです」。


――2017年に「次世代声優☆ミラクルオーディション」で特別賞を受賞しましたが、声優を目指したのはいつ頃だったんですか?

「中学生の頃からアニメをよく観るようになって、『なれたら楽しそうだな』ってフワーッとした夢みたいなのはありましたけど、現実的に将来のことも考えていて、学校の先生になろうかと思っていたんです。でも、声優をやってみたい気持ちが強くなって、とりあえず自分の実力を試すために、オーディションを受けてみました。そしたら、『まさか受かっちゃうとは……』という感じでした」。

――どんなアニメを観てました?

「青春ものやスポ根を観て、すごい熱気に『物語の中だけでも、あの世界にいられたら楽しそう』と憧れました。特に『響け!ユーフォニアム』には感動して、私も吹奏楽部でフルートを吹いていたので『こんな苦しいこともあるよな』と思ったり、音楽をやりたい気持ちも強くなりました。アニメを観て何かをやりたいと感じさせられるのはすごいことで、『ハイキュー!!』でバレーボールをやりたいとも思いました」。

――実際やったんですか?

「いや、全然(笑)。私、球技はひどくて、『ゆいにボールを渡すとどこかに行っちゃう』みたいな感じでしたから(笑)」。

――最初から歌もやる声優アーティストを目指していたんですか?

「そうです。歌もずーっと好きで、音楽の授業の合唱も楽しみだったし、中学生の頃はよく1人でカラオケに行ってました。お小遣いをすべて注ぎ込むくらいの勢いで(笑)。フリータイムで午前10時から午後6時まで歌い続けて、最後のほうはさすがに疲れて、何とか歌いやすい曲を入れて、声を嗄らしながら粘りました」。


――ただのひとカラで、そこまで頑張らなくても(笑)。オーディションでは特別賞になったもののグランプリを逃して、審査員席を睨みつけていたと聞きます(笑)。

「いやいやいや! 違うんです。ただ最終まで残ったからにはグランプリを取りたかったので、悔しい気持ちのほうが大きくなってしまって……。でも、家に帰った頃には『特別賞でもすごいかも』と思い始めて、前向きになりました」。

――そして去年4月から始まったアニメ「アイカツフレンズ!」で、4人のメインキャラクターの1人、日向エマを演じて声優デビュー。

「『こんなことがあっていいのか!?』と思いましたけど、もともと演技はド素人で最初の頃は何もわかりませんでした。元気なお姉さんのエマちゃんと違って、私は陰キャで人前で大きい声を出すことに慣れてなさすぎて、『こんな演技を聞かせられない……』という恥ずかしさもあって、思い切りやることにめちゃめちゃ時間がかかりました」。

――新人声優さんが「ひと言の台詞を何回もやり直した」という話もよく聞きます。

「エマちゃんはラクロスをやっていて、シュートのときの『ハッ!』という声だけで、何回もやり直しになりました。だんだん申し訳なさとできない悔しさで泣きそうになりながら……。あと、いつも明るいエマちゃんがネガティブになる場面では、私自身がネガティブだからできるはずなのに、ずっと明るくやってきたから難しくて……。そのときも『できなかった……』って泣きながら帰った覚えがあります」。


 
 

ものごとすべてが不安ですけど(笑)
歌でカッコイイ陰キャを極めます!

 
 

――来年1月にニノミヤユイとしてアルバムでアーティストデビューすることが発表されて、表題曲「愛とか感情」を先行配信。「アイカツフレンズ!」のキャラソンと打って変わり、欅坂46の「サイレントマジョリティー」や「不協和音」で知られるバグベアさんによるシリアスなナンバーでした。

「私はもともとカッコイイ曲やテンポが速くてまくし立てる曲が好きなので、こういう路線を歌うのはうれしいです。こんなにカッコイイ曲を作ってもらったので、私も負けじと強く歌おうと頑張りました」。

――まさに冒頭から「君を愛し愛し愛してた」とまくし立てています。

「早口でブワーッとやって、どうしても言いにくくて、レコーディングでは苦戦しました。普通に歌っていると指導が入ることはないから、いきなり歌い方を変えるのが難しくて、『アッ、アッ……』となったりもしました」。

――どんなディレクションがあったんですか?

「今までのキャラクターソングが明るく元気にハッキリと、声優っぽく歌うことが多かったので、そこを逆にアーティストっぽく、陰な感じで歌うようにと。滑舌の良さを抜くのが難しかったですね。でも、自分のテンションを無理に上げなくていいのは楽でした。スタジオの照明をできるだけ落として、ほぼ暗い中で歌いました」。


――歌っていて、脳裏に浮かぶ光景はありました?

「もう闇です(笑)。何も考えず『どうでもいい』みたいな空虚な気持ちでいようと思ってました」。

――ゆいさんは歌詞の深読みが趣味とのことですが、この主人公は失恋したんですかね?

「私はこの“愛”は“人を好き”とかではないと思いました。愛みたいな温かい場所を求めていたけど、『そういう場所にいたら勝ちは掴めないぞ!』みたいな。強さを求めるためには温かさを捨てないといけない。そんな解釈をした気がします。『私はやさしさなんていらない!』みたいな気持ちで歌ってました」。

――なるほど。エネルギーを使ったレコーディングだったでしょうね。

「4時間くらい歌ってクタクタになって、帰りの電車で魂が抜けて爆睡しました(笑)。本当にエネルギーを込めましたね」。

――MVでは白と黒のセーラー服で、ずっと寝て歌ってます。

「寝てることがこんなに辛いのかと(笑)。スタジオの床が堅くて、腰や背中や首がどんどん痛くなってくるんです。朝入って、ブワーッと夜まで13時間くらい撮って、休憩やごはんや映像の確認はありましたけど、8時間くらいは寝ていた気がします。体がバキバキになって、最後のほうは立ち上がるのもつらくて……。でも頑張ったので、ぜひ観てください」。


――先行配信第2弾は「ヤミノニヲイ」という曲になりました。

「暗くてひねくれているのが1周回ってハッチャケたというか、ジャズっぽくて、陰キャなのにオシャレで、好きな曲です」。

――1stアルバムは全体的に闇路線になるんですか?

「私が普段思ってることを書いて、歌詞の元にしていただいているので、自分の陰な部分は要所に散りばめられています。現実に起きたことも入っていて、カッコ良くて陰キャなアルバムになりそう。私がそういう曲を好きなので、陰を極めます(笑)」。

――他に目指すアーティスト像はありますか?

「カッコイイけど親しみやすく、みんなが持っている不安を代弁したいです。私も暗めな曲を聴いて『こういうことを考えているのは私だけではないんだ』と思うときがあるので」。

――陰というのは、心配性でもあるんですか?

「ものごとのすべてが心配です(笑)。勉強が苦手なので卒業できるか心配だし、常に『殺されないか。刺されないか』と思っていて、後ろを空けると危ないので、電車とかでは絶対、壁に背中を付けてます。近づいてくる人がいたらスッと逃げるし、ゴツいケースを持ってる人がいると、『爆弾が入ってない?』と思って、車両を移動するときもあります」。

――世の中はそこまで、殺人犯やテロリストに溢れてはいないと思います(笑)。いくらネガティブでも、アーティストデビューが決まって、明るい未来も描いてませんか?

「描こうとするんですけど、『そんなにうまく行くわけない』とネガティブが入り込んでしまい、気づくと『売れなかったらどうしよう……』と考えてます」。

――デビュー前から、売れない心配(笑)?

「すべてを肯定できない自分がいるので、そいつと戦いながら、弱いところを潰していかないと。たぶん歌詞には弱い部分もたくさん出るので、だからこそいろいろな人に、共感まで行かなくても、『確かにね』と思ってもらえたら幸いです」。

――将来は「アイカツフレンズ!」でエマたちハニーキャットがやっていた世界一周ツアーをしようとは?

「海外はちょっと怖いので、できれば国境を守っていたいです」。


――飛行機が怖いわけですか?

「そうです。あんな物体が浮くわけがない(笑)。一度、修学旅行で沖縄に行くとき、致し方ないので『死ぬときはみんなと一緒だな』と思って乗りました」。

――ある飛行機嫌いな声優さんは、前日に徹夜して空港でお酒も飲んで、乗ったらすぐ寝られるようにするそうです。

「それは良い考えですね。確かに寝ていれば、記憶がないまま死ねるので」。

――落ちるのを前提にしないでください(笑)。そんなゆいさんですが、ブログのタイトルは「強く生きていこう。」ですね。

「自分の目標をタイトルにしました。私は弱い人間ですけど、どれだけ暗くても生きていかなければいけない。だったら『強く生きていこう!』という気持ちです」。

 
 


 
 

二ノ宮ゆい(にのみや・ゆい)

生年月日:2001年9月6日(18歳)
出身地:神奈川県
血液型:A型
 
【CHECK IT】
2017年に「次世代声優☆ミラクルオーディション」で特別賞を受賞。2018年4月から放送のアニメ「アイカツフレンズ!」(テレビ東京系)の日向エマ役で声優デビュー。2020年1月15日(水)に「ニノミヤユイ」として10曲入りアルバム「愛とか感情」でアーティストデビューする。タイトル曲「愛とか感情」と「ヤミノニヲイ」が先行配信中。2020年3月28日(土)に1st ライブ「愛とか死、或いは名もない感情からの逃避」を下北沢GARDENで開催(チケットは完売)。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

アルバム表題曲「愛とか感情」のMVはこちら!

 
 
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