PICK UP ACTRESS 福本莉子

PICK UP ACTRESS 福本莉子

PHOTO=河野英喜 STYLING=武久真理江 INTERVIEW=斉藤貴志
衣装協力:PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE、LALIQUE(イヤリング)、hatsuyume(リング)

 
 

映画「思い、思われ、ふり、ふられ」に出演
メインの1人で内向的でうつむきがちな役

 
 

――メインキャスト4人の1人として出演した映画「思い、思われ、ふり、ふられ」の原作は、「ストロボ・エッジ」「アオハライド」に続く咲坂伊緒先生の“青春三部作”の最終章。青春の中でも恋愛、友情、成長……と多岐に渡るストーリーですね。

「確かに恋愛だけの物語ではなく、それ以外の四者四様の悩みや抱えているものも丁寧に描かれていて。私が演じた由奈は、朱里ちゃん(浜辺美波)や理央くん(北村匠海)との2人だけのシーンが多くて、朱里ちゃんと和臣くん(赤楚衛二)のシーンとかは完成した映画で初めて観たんです。4人のバックグラウンドも台本で読んだときより映像になると深みが増して、全体を通してグッときました」。

――由奈たちの心情にも共感できました?

「高校時代の一生懸命さって、大人になるにつれて、どんどん薄れてしまう感覚じゃないかと思うんです。恋愛して一途に『あの人しかいない』みたいな想いは、学生ならではというか。そういう感情はすごく大切だと感じました」。


――そんな一途さは、莉子さんの高校時代にもあったもの?

「学業とお仕事の両立はすごく大変で、今考えると、あの時期の自分は本当に頑張っていたと思います。地元の大阪と東京を行き来する生活をしながら、すごく元気でした(笑)」。

――東京から夜中に新幹線で帰ってきて、翌日の朝イチから学校に行ったり?

「そういう感じでしたね。勉強では暗記科目は得意でしたけど、数学とかは苦手で。ずっと塾にも通っていて、テスト前にはたくさん授業を入れて、詰め込んで勉強してました」。

――本当に頑張っていたんですね。内向的でうつむきがちな由奈と明るく社交的な朱里だったら、どちらが自分自身に近いと思いますか?

「朱里ですね。私は人とおしゃべりするのが好きで、わりと社交的なタイプなので。でも、由奈の芯が強いところやちょっと頑固なところは、自分とリンクします」。

――由奈が憧れている理央は、親同士の再婚で義理の姉となった朱里が好き。同じような状況だったら、莉子さんはどうしますか?

「告白自体すごいことなのに、由奈の場合、振られるとわかっていたじゃないですか。それでも告白するのは、私には難しいと思います。自分の気持ちをちゃんと伝える由奈は芯が強いし、自分より相手のことを思いやれるのも素敵なところですよね。あの告白シーンで『由奈は見掛けは弱そうでもこんな一面がある』と思ってもらえたら嬉しいです」。


――そのシーンの撮影前はいろいろ考えました?

「由奈が嫌な子に見られないようにしたくて。姉に相談したら、『そうは見えないと思うよ』と言われましたけど、原作を大切に思っているファンの方がたくさんいる中で、由奈のイメージを壊したくなかったんです。私自身、オーディションのお話をいただいてから原作を読み込んで、ちょっとしたニュアンスでも、由奈の純粋さや真っすぐさがスクリーン越しにしっかり伝わるように、お芝居をしたい気持ちがありました」。

――由奈が告白して変わったように、何か行動を起こして変わった経験は、莉子さんにもありますか?

「それはもう『東宝シンデレラ』オーディションを受けたことですね。自分の中で、すごく大きなターニングポイントでした。このお仕事をやらせていただくきっかけになったので、勇気を出して受けて本当に良かったと思っています」。

――オーディションは受けるだけでも、勇気が要ることだったんですか?

「そうですね。そういうオーディションを受けるのは初めてでしたし、私はもともとは人見知りで恥ずかしがり屋だったんです。人前に出るのがすごく苦手で、絶対に緊張すると思いましたけど、人生は一度きりだし、何かに挑戦したい気持ちもあって応募しました」。

――オーディションを受けたことで、さっき出たように社交的になったんですか?

「はい。人と話せるようになって、変わりました」。


――同時に、うつむきがちでオドオドしていた頃の由奈の心情もわかると?

「自信のなさはわかります。今でもそうなることはありますし、誰にでもある部分だとも思います。お芝居では三木(孝浩)監督と相談しながら、変わる前と後でメリハリを付けて、演じ分けをかなり意識しました」。

 
 

女子校出身なので共学の空気が新鮮で
下駄箱にラブレターとかいいなと(笑)

 
 

――由奈にとっての朱里のように、背中を押してくれる人はいましたか?

「オーディションのときは音楽に救われていました。BIGMAMAさんの『神様も言う通りに』の『たった3秒あれば僕達は未来を変えて行ける』という歌詞にすごく励まされました」。

――由奈が最初に理央に惹かれたのは、小さい頃から好きだった絵本に出てくる王子様に似ていたから。そういう2次元のキャラクターに憧れたことはあります?

「私はなかったですね。意外とリアリストなので(笑)」。


――ベッドでぬいぐるみを抱いているシーンがありましたが、莉子さんはそういうこともしないと?

「ぬいぐるみは私もたくさん持っています。姉がディズニーランドに行くたびに、新作のダッフィーの友だちを買ってきてくれるんです。だから、ベッドの枕の周りはぬいぐるみだらけ。その仲間たちと一緒に寝ています(笑)」。

――抱いて寝ることも?

「悲しいときはぬいぐるみと共に夜を明かします。そんな夜もあります(笑)」。

――撮影していて、自分の高校時代を思い出す場面はありました?

「私は女子校だったので、共学のああいう感じは新鮮でした。体験入学している気分で、すごく楽しかったです。『学校に男子がいるって、こういうことなんだ』みたいな(笑)」。

――まさに“思い、思われ”があったり。

「いいですよね。下駄箱にラブレターが入っていたり(笑)。女子校ではそういうことがなかったので」。

――文化祭でも、劇中のようなドラマチックなことはありませんでした?

「男子禁制だったので、なかったですね。でも、文化祭とか体育祭とか行事には力を入れていた学校で、出し物はすごく準備してやりました」。

――どんな出し物をやったんですか?

「文化祭では、おばけ屋敷をやりました。白塗りして、片目に黒目が小さくなるカラコンを入れて、おばけになって脅かしたら、結構怖がられました。私、脅かす才能はあった気がします(笑)」。

――お祭りのシーンもひとつの山場でしたが、撮影ではありつつ楽しめました?

「楽しかったです。撮ったのは4月で、夏を先取りした感じでした。浴衣でちょっと寒かったんですけど、地元の神戸の方々も浴衣で来てくださって、屋台も出ていて、本当の夏祭りみたいでした。射的もあまりしたことがなかったんですけど、劇中でやらせていただきました」。


――そうでしたね。

「シーン的には由奈は外すことになっていたんですけど、本番でまさか当ててしまって(笑)。『ああ……』って反応をしないといけないのに、内心すごく嬉しくて、ちょっとドギマギしました(笑)」。

――夏祭りは実際に行っていたんですか?

「学校の友だちと行ってました。浴衣を着たり、花火大会を見たり。何だかんだ、青春してましたね」。

――今年は10代最後の夏ですが、思い出はできましたか?

「今までは帰省して、地元の友だちと集まって、ごはんを食べに行くのが楽しみだったんです。今はこういう状況で難しいですけど、私の10代最後の夏のメインイベントは『ふりふら(思い、思われ、ふり、ふられ)』の公開ですから。これに賭けています!」。

――では、少し早いですが、秋はどう過ごしますか?

「世の中がもうちょっと落ち着いたら、アクティブな秋にしたいです。キックボクシングをやってみたいなと思っています」。


――へーっ。アクションものに備えて?

「それと筋肉を付けたいんです。でも、この顔でバキバキだったらヤバイので(笑)、ほど良く運動するようにします」。
 
 


 
 

福本莉子(ふくもと・りこ)

生年月日:2000年11月25日(19歳)
出身地:大阪府
血液型:B型
 
【CHECK IT】
2016年に第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞。2018年公開の「のみとり侍」で映画初出演、ミュージカル「魔女の宅急便」で舞台初出演で主演。主な出演作は映画「センセイ君主」、「屍人壮の殺人」、ドラマ「僕の初恋をキミに捧ぐ」(テレビ朝日系)、「パパがも一度恋をした」(東海テレビ・フジテレビ系)、「映像研には手を出すな!」(MBS・TBSほか)など。映画「思い、思われ、ふり、ふられ」は8月14日(金)より公開。映画「映像研には手を出すな!」が9月25日(金)より、「しあわせのマスカット」(主演)が2021年初夏に公開予定。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「思い、思われ、ふり、ふられ」

詳しい情報は「思い、思われ、ふり、ふられ」公式サイトへ
 
 

 

 

 
 

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