FRESH ACTRESS 伊原六花
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
バブリーダンスで注目されて
「チア☆ダン」で女優デビュー
――「チア☆ダン」でドラマ初出演。現場のロケ弁はおいしいですか(笑)?
「おいしいです! いつもお肉かお魚か選べて、私は基本お肉ばかり食べてます(笑)」。
――撮影していて、予想外だったことはありました?
「1話から順番に撮っていくのかと思っていたら、3話のどこかのシーンを撮って、また1話に戻るとか、入り組んでました。みんな、その時々の心情になって演じ分けられるのが、すごいと思います」。
――「この時点ではこういう気持ち」とか理解してないとできませんよね。初めてのドラマの撮影現場はどうでした?
「最初はすごく緊張するかと思っていたんですけど、年明けからずっと、みんなと一緒にチアダンスの練習をしていたので、もう打ち解けていて、撮影に入ってもあまりガチガチにはなりませんでした。しっかり演技の勉強もできる雰囲気を作っていただきました」。
――そういうこともあるでしょうけど、六花さんはもともと、堂々としていて緊張しないタイプなのでは?
「いや、顔には出ないと言われますけど、心の中ですっごい緊張するんです。ダンス部のときも『失敗したらどうしよう……』とか、めちゃめちゃ考えちゃいました」。
――ドラマは初めてでも、小さい頃にミュージカルに出演していたんですよね?
「習いごととしてやってました。もともと本を読むのが好きだったんですね。小学2年生のとき、友だちの友だちが出ていた舞台を観に行って、物語の主人公になり切れるミュージカルって素敵だなと思ったんです。それがきっかけで習い始めて、ずっと続けてました。ダンスもそこで好きになったんです」。
――その頃から、子ども心に将来は女優になりたいと?
「女優さんや芸能人になりたいと思ったことはなかったです。でも、今までやってきたのがお芝居とダンスと歌で、好きなことだし自分のできることだから、お仕事としてずっと続けられるなら一番いいと考えるようになりました」。
――普通にドラマは観ていたんですか?
「部活をやっていたときはあまり時間がなくて、観られなかったんですけど、それでも観たいものは録画してました。映画もすごく好きでした」。
――どんな作品が好きだったんですか?
「いっぱいありますけど、映画だと、それこそ『チア☆ダン(~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~)』は大会の雰囲気とかが自分たちのダンス部と似ていて、部員みんなで観に行きました。感動して号泣しました」。
――クライマックスの全米大会のシーンとかで?
「そこもですし、ケガして踊れなくなって外から見てるのも、すごく気持ちがわかって共感できました。ちょうどその頃、部活で大会に向けて頑張っていたので、余計に感動した記憶があります」。
――ダンス部は普通に部活として入ったんですか?
「登美丘(高校)のダンス部に入るために勉強して受験しました。ずっと学校の外でダンスをやっていたんですけど、高校ではダンス部でやりたいと思って、いろいろな学校を調べたんです。YouTubeで登美丘のダンスを観て、ショーケースな感じでエンターテイメントっぽかったので、素敵だなと思いました」。
――キャプテンをやるタイプだったんですか?
「前に出て発言したり、効率良い練習メニューを考えるのは好きでした。キャプテンは部員で話し合って選ぶので、自分で挙手したわけではないですけど、任せられたからには頑張ろうと思いました」。
――チームをまとめることで悩んだりはせず?
「やっぱり人数がすごく多くて、1人1人性格もダンススキルも全然違うので悩みました。全国大会に向けて、ひとつにまとめていくのは、難しいところがありました」。
――打ち込んだダンス自体は、今ドラマでやっているチアダンスにもだいぶ役立ちました?
「そうですね。チアダンスには4つ種類があるんです。脚を上げるラインダンス、ポンポンを持つ踊り、カッコイイ系のヒップホップにジャズ。私はラインダンスやポンポンはあまりやったことがなかったんですけど、ヒップホップとかは部活でやっていたダンスに近いものがあるので、経験が出せるんじゃないかと思います」。
――六花さんは女優としては新人でも、ダンスに関しては高いレベルを期待されそうですね。
「そうかもしれません。でも、土屋太鳳さんとかE-girlsの石井杏奈さんとか、ダンス経験者の方は多くて……。皆さんそれぞれの得意分野で、見習いたいところがあります。チアダンスに関しては初心者が多くて、一緒にイチから練習する感じでした」。
――六花さんが演じる麻生芙美は1年生部員。自分がダンス部の1年生だった頃を思い出しますか?
「思い出しますね。先輩と先輩の間で板挟みになる芙美の心情は、自分も先輩を尊敬していたからこそ、あったかなと思います。芙美は引っ込み思案ですけど、ダンスに関することは自分で決められる子で、ダンスに対する想いも自分とつながるところはあります」。
――映画で観た「チア☆ダン」同様、今回のドラマで自分で演じていても、経験と重なるところは多い感じ?
「そうですね。ドラマも初心者の子たちができっこない夢を追い掛けて頑張っていくストーリーで、その中で部員同士の言い合いがあったり、初心者と経験者で意見が違ったり、そういう部分が似てると思います。ドラマでもみんなすごく気合いを入れて練習していて、ダンスシーンでは演技だけではなく、実際に仲が良いところが見える気がします」。
――芙美は引っ込み思案から明るい性格になっていくそうですが……。
「自分の意見をはっきり言えるようになってくるところはあります」。
――六花さんもダンスを通じて、パーソナリティにも影響した部分はありました?
「ありました。私はすごく負けず嫌いだったんです。良い意味でも、悪い意味でも。それがダンス部でみんなと話し合ったり、ケンカもいっぱいしていく中で、自分にない経験をしている人はたくさんいて、そういう人たちの意見や考え方をいいなと思うようになりました。前より人の話に興味が出たというか、人の話を聞くようになって、そんなの当たり前のことなんですけど(笑)、そういうところが変わったと思います」。
――キャプテンになってから泣かないようになったとも聞きました。
「泣いてるキャプテンって、イヤじゃないですか。信頼してついてきてもらえなくなると思ったので、後輩たちの前ではキャプテンらしくいるように心がけました。その分、同期の子たちにいろいろ話を聞いてもらったり相談したので、無理していたわけでもなかったです」。
――友情を感じる出来事もありました?
「仲間の存在はすごく大きかったです。練習メニューはキャプテンとして考えても、自分にできないことはできる子に任せる。そういう部分でキャプ