FRESH ACTRESS 水谷果穂

FRESH ACTRESS 水谷果穂

PHOTO=池永一之 INTERVIEW=西中賢治

2016年、最注目女優のキャラクターは「雲みたい」?

――2013年に「大原学園」のCMでビューし、女優として活動している水谷果穂さん。芸能界に入ったきっかけは?
「中3になったばかりの頃、おばあちゃんが事務所のオーディションに応募したんです。両親は知ってたみたいなんですけど、私だけ知らされてなくて(笑)」。

――「うちの孫はかわいいから女優にしたい」と思ったんじゃないですかね。
「いえいえっ。たぶん、軽い気持ちで応募したんだと思います。本気で受かるとは思わずに」。

――水谷さんの所属する研音は、片瀬那奈さんや天海祐希さんなど、有名な方がたくさんいらっしゃいますね。応募したことは、いつ知らされたんですか?
「書類審査に受かって、追加資料として動画を撮影するっていうときです。写真だったらいいんですけど、動画は恥ずかしかったので『ヤダ!』って言いました(笑)。最近、そのときの動画を見返したんですが、やっぱりすごく恥ずかしがってて、滑舌も悪くて……。しかも、私が喋ってる横を犬がウロウロしてるんですよ」。


――まさにホームビデオのノリですね(笑)。応募は自分の意志ではなかったということですが、その後、自分でもヤル気にはなったんですか?
「はい。東京で面接を受けた時、『今まで頑張ってきたことは何ですか?』『誰にも負けないと思うことは何ですか?』と聞かれたんです。その時、何も答えられることがなくて。演技審査もしたんですけど、それもうまくできなかったんです。家に帰ってから、悔しくて泣きました。それで、『自分も何かを本気で頑張ってみたいな』って思ったんです」。

――なるほど。ドラマはよく見てたの?
「はい、見てました。『花より男子』とか、『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』とか、『メイちゃんの執事』とか。学園モノが好きでした」。

――じゃあ、女優へのあこがれはあったのかな?
「う~ん。どっちかというと、モデルさんにあこがれてました。ファッション誌を読んで、モデルさんの持ってる洋服をマネっ子したり、記事のページを一生懸命読んでました」。

――どんな雑誌?
「最初は『ニコプチ』で、その後『ニコラ』『ラブベリー』『ポップティーン』『ランズキ』『セブンティーン』。昔はませてたんです(笑)。小学校の友達が少女マンガ雑誌を読んでる時に、私はファッション誌を読み始めてて」。


――出身は静岡県の浜松市だよね。クラスの中でも、ファッションリーダーだったんじゃない?
「いえ、そこまでじゃないですっ。私の周りの中では、ませてる方っていう感じです。でも、小学生の時はこだわりがすごく強かったんですよ。筆箱を一ヶ月おきにかえて、鉛筆も自分の手より小さくなったら使わないっていうポリシーがありました」。

――それはもったいないのでは(笑)。
「短くなったら人にあげてたんです。学校で鉛筆交換がはやってたので、いつもかわいい鉛筆や消しゴムを探しまわって買ってました」。

――水谷さんは、目立つタイプだったんですか?
「いえ、普通でした。学芸会でも、あんまり前に出ない役をやったり」。

――引っ込み思案、とか?
「っていうほどじゃないんですけど。特に積極性もなく、普通、っていう感じでした」。

――とらえどころがないですね(笑)。兄弟は?
「妹が二人います。でも、私はお姉ちゃんっぽくもなくて、妹のほうがしっかりしてるんですよ(笑)。事務所の年下の子たちからも、『もう~、果穂ちゃんは~』ってツッコまれてます」。

――あはは、だんだんキャラクターが見えてきました。自分では、どんな性格だと思いますか?
「それが、よくわからないんです。取材で聞かれていっつも悩んでしまうので、友だちに聞いてみたこともあるんです。そしたら、『わかんない。でも、雲みたいだね』って言われました」。

――雲みたい! 言い得て妙です。
「はい。雲みたいに、ふわふわ~っとしてます(笑)」。


芝居が「やめられない」、その理由

――11月3日の18歳の誕生日に、1st写真集「水谷果穂」が発売されました。実家でも撮影したんですよね?
「はい。うちで撮影するって決まってからは、両親が『どうしよう』ってずっと話し合ってました(笑)。スタッフさんのためにバーベキューをしようっていう案も出たんですけど、忙しいと逆に迷惑かけちゃうから、浜松の名物のうなぎ弁当を差し入れしました」。

――写真集の最初の方に写っている室内の写真は、果穂ちゃんの部屋?
「そうです。このロフトベッドでいつも寝てるんですよ。ポスターとかカレンダーを貼ってないので、スタジオみたいに見えるんですけど(笑)。キレイに撮っていただきました」。

――この自転車に乗ってるカットもいいですね~。
「それも、いつも通学に使っている自転車です。学校まで、片道30分かかるんですよ。坂がいくつもあって、毎朝すごい大変です(笑)」。

――顕微鏡をのぞいているカットは、メガネをかけているけど、これも自分の?
「いえ、これはダテメガネです。おうちではいつもメガネなんですけど。部活で物理科学部に入っているので、それっぽいイメージで用意してくれたんだと思います」。

――物理科学部ですか! もしかして、相当のリケジョ?
「文系です(笑)。この顕微鏡も、最初は『あれ? どっち向きで使うんだっけ?』って悩みました」。


――それは残念なエピソードですね……。どうして物理科学部に入ったの?
「お仕事があるので、土日の活動がない文化部の中から選んだんです。最初は料理とか裁縫をやるホームメイド部っていうのに入りたかったんですけど、人気すぎて、抽選で落ちちゃって。それで、物理科学部を見学してみたら、べっこう飴を作ってたんです」。

――えっ!? 物理科学って、こむずかしい物質の研究をしたりするんじゃ……。
「あー、そういうのはやりません。もっと面白い感じの実験ですね。スライムやスーパーボールを作ったり、百均のマジックをやってみたり」。

――でんじろう先生がやってるような、楽しい実験なんですね。写真集では初水着も披露していますが、恥ずかしくなかった?
「最初は『どうしよう』って感じでした。普段はビキニなんか着ることがないので、抵抗はあって。でも、実際に撮られてる時は、『恥ずかしい』って感覚はなかったです。カメラマンさんがすごく優しかったので」。

――素晴らしくみずみずしい写真になっていると思います。最後に、果穂ちゃんの今後の目標を教えてもらえますか?
「はい。お芝居をもっと追求して、自分の持ってる個性を見つけていけたらいいなって思います。お芝居って、同じ台本でも、人によって感じ方がぜんぜん違うし、演じ方も違ってきて。自分の人生で感じてきたことが反映してるからだと思うんです。だから、お芝居をしてると、自分の“本心”が出る感じもあって」。

――面白いですね。演じているのに、本心が出る。
「そうなんです。どっかで役と自分がつながっている気がして……。『やめられないな』って思います」。


――「やめられない」、ですか。
「はい。昨日はうまくできたことでも、なんか今日はできなかったり、たまに『あ、今すごい感情入った』って思うこともあったりするんです。お芝居って完成形がないものなので、同じシーンでも何回も何回もやりたくなるし。それも含めて、『やめられないな』って」。

――いいですね、その言葉。
「ありがとうございます(笑)。これからいろんな役に出会えていけたらいいなって思います」。


(インタビューを終えて)

インタビュー原稿をよく読んでいただければわかるが、最初はこちらから「水谷さん」と呼びかけていたものの、途中から思わず「果穂ちゃん」と言うようになってしまった。友達からは「雲みたい」な性格と言われるそうだが、確かにとらえどころのない、でも人を和ませる柔らかい雰囲気がある。たとえるなら、キレイにふくらんだ綿菓子のようだ。この“人なつっこい”キャラクターは、相手のいる芝居をするうえできっと大きな武器になっているはずだ。2016年は、いよいよ彼女の年になると確信した。ちなみに、公式ブログ「みずたにいろ」の内容がめちゃくちゃかわいいので、ぜひオススメしたい。

    


  

水谷果穂(みずたに・かほ)
生年月日:1997年11月3日(18歳)
出身地:静岡県
血液型:B型

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2013年、CM「大原学園」でデビュー。同年7月から放送されたドラマ「リアル脱出ゲーム 密室美少女」(テレビ東京系)で演技に初挑戦。主な出演作は、ドラマ「家族の裏事情」(フジテレビ系)、「地獄先生ぬ〜べ〜」(日本テレビ系)、「ナポレオンの村」(TBS系)、映画「先輩と彼女」など。現在、「夢の通り道」(日本テレビ系)にナビゲーターとして出演中。また、1st写真集「水谷果穂」(ワニブックス)が発売中。

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