PICK UP ACTRESS 森七菜

PICK UP ACTRESS 森七菜

PHOTO=厚地健太郎 INTERVIEW=田中裕幸

 
 

「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」で
いじめられっ子役を熱演

 
 

――デビューして1年半で、行定勲監督作品、園子温総監督作品、熊澤尚人監督作品など、オーディションで数々の大きな役をつかんでいる森さん。今月にはドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」(NHK)や、女児向け特撮テレビシリーズ「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」(テレビ東京系)にも出演し、これらもオーディションで役を勝ち取ってきたそうですが、オーディションでの強さの秘訣は? ……って自分ではなかなかわかりづらいのかも。

「そうですね。まったくわからないです(笑)。『失敗したな』と思ったときでも、『よかったよ』って言ってもらえるときがあったり、『できたかな?』と思っても落ちるときもあったし、全然わからなくて……」。

――オーディションが終わるとよく泣いているという、マネージャーさんからの話もありありますが(笑)。

「はい。自分が思った通りに演技ができなかったりすると、すぐに泣いています(笑)」。

――さすがにオーディション会場の中では泣かない?

「その場で泣いていたこともあります(笑)。自分の番が終わって、出来がよくなかったと反省したり、他の子の芝居を見て、『この子すごい。自分にはその考えがなかったな』って驚かされたりしたときとか……」。


――今回の「やけに弁がたつ〜」では、クラスでのいじめに遭うハードな役だそうで……。

「脚本を読んで役の未希がかわいそうというか、自分が未希になった感じで『いじめられる。どうしよう……』と思っていました」。

――実際に演じてみて、いかがでしたか?

「撮影期間中は気持ち的にかなりしんどかったです。重い内容の役柄をやると私生活でも元気がなくなってしまって、お母さんから電話がかかってきても、『うん……』としか言えなくなってしまいます。でも、撮影がすべて終わったときに、スタッフさんから『森さんでよかったよ』って言ってもらえたのが嬉しくて、それが次への力になりました!」。

――苦しんだ甲斐がありましたね。撮影に入っているときには、役に入り込んで、素でいじめられている感覚になっていたのかな?

「そうですね。最初に撮ったシーンがいじめを受けるところで、それは特にしんどくて。直接いじめられているシーンはドラマの中では1回しか出てこないんですけど、その1回の撮影のときだけじゃなくて、日々の撮影の中で常に頭の中に自分がいじめられている立場にいるんだということが心に積み重なっていって、元気がなくなっていったのかもしれません。撮影期間中は役柄のことが常に頭にあって、それを忘れちゃうとその感情がゼロになってしまいそうだと思って。未希の感情や悩みを自分でも考えたいなと思っていました」。


――「意識して未希にならなければ……」というより、自然に未希と同化していた感じなのかも?

「役になりたいと思っちゃうのかな? 初めて撮影したドラマ『東京ヴァンパイアホテル』の頃は現場ではいっぱいいっぱいで、帰ったら疲れて寝るという感じだったんですけど、『やけに弁の立つ〜』の前に撮っていた映画は、ずっと地方で撮影していたのですが、役の子から抜け出したくても抜け出せない状況でした。ずっと役に入った状態だと現場でも気持ちが入りやすかったし、こういうことは大事だなと思いました」。

――ドラマでは、神木隆之介さん演じる主人公・スクールロイヤーの田口との病室での長いシーンもあったそうですね。

「本当にすっごい長かった! 撮影前はもうとにかく緊張! でも現場に入ると、集中しなければならなかったので、緊張している場合じゃないなと思いました」。

――この役は何回もオーディションがあったとか。

「オーディションが4回あって、最終審査は私1人対スタッフさん全員でした。その日はさすがに緊張しました。最後にその場で『この役をお願いします』と言われて、役が決まりました。その場で合格を言われたのは初めてだったので、『えっ、何をですか?』と思って、現実を理解するのに時間がかかりました(笑)」。

――普通は「事務所を通じて後日連絡」というパターンですよね。

「はい。普段は地元の大分にいるときにマネージャーさんから『合格したよ』と電話がかかって来る形が多くて、その度にお母さんとお祭り騒ぎになっています。『じゃあ、手巻き寿司でお祝いやな』って!」。

――手巻き寿司が森家のお祝いメニューなんですね。

「はい! あとは焼肉です」。


 
 

まさかのスカウトから2年
いつかは坂元裕二さん脚本の作品に出てみたい

 
 

――一方の『マジマジョピュアーズ!』の内容は?

「私は第7話にゲスト出演します。生徒会長になりたい、とにかくテンションが高い女の子・永田マチコ役です。後半に悪者に取り憑かれてヒロインたちと戦うという展開なんですけど、悪になる前から、何かに取り憑かれてるんじゃないかというくらいのテンションです(笑)」。

――「やけに弁の立つ〜」とは対照的な役柄ですね。

「はい。最初に監督とお話したときに『1回演じてみて』と言われて演じたら、『そんなんじゃ全然ダメ』と言われて、何回も大きな声で練習したのを覚えています。本番に入って、だんだん感じがつかめてきて、最後のほうには『これくらいやっちゃっていいんだ』と自分でアドリブまで言わせていただいたりして、楽しかったです。とにかくぶっ飛んでいます!」。

――いじめられる役だと表情の芝居や微妙なニュアンスの芝居が多そうだけど、子ども向けドラマだと極端な表現が多そう。

「撮影しているときに、自分でも『元気だ!』とわかるんです。スキップが出ちゃうくらいの状態でした」。

――明るい役でもやはり入り込んでいたんですね?

「はい。そうじゃないと、その役が不完全になる気がします」。


――ところで、森さんがこの仕事を始めたきっかけはスカウトとのことですが……。

「中学3年生のとき、地元の大分で家族でご飯を食べていたら、『写真を撮らせてください』と声をかけられれました。それからすぐにいろんなことがありました。初めて東京に来て、写真を撮ってもらって、オーディションを受けて、すぐに撮影が始まって、『あれ?  撮影やるんですか?』ってなりました。初めて声をかけてもらってから2カ月くらいの間でした」。


――いきなりスカウトされてとまどいも大きかったと思いますが、それにしても親御さんもよく承諾して協力くれましたね。

「私はもともとそういうお仕事をしたいと思っていて、それを親は知ってはいたと思うので、『やりたいことならやっていいよ』と言われました。その2カ月は、自分のそれまでの人生で一番怒涛の2カ月だったと思います」。

――じゃあ、そのときスカウトされなかったとしても、この世界の門を自分で叩いていたかも。

「はい。いつか自分で事務所のオーディションに応募しようと思っていたところだったので、まさかのタイミングで声をかけていただきました」。


――今も大分に住みながら撮影のたびに上京するスタイルですね。

「はい。大分から5時間くらいかけて東京に来ています」。

――さて、この先女優としてどんな作品に出てみたいですか?

「坂元裕二さんの脚本の作品にいつか出てみたいと思っています。大好きなんですよ、坂元さんのドラマが」。

――坂元さんの作品を好きになったきっかけって?

「最初、ドラマ『Woman』(2013年)を観て衝撃を受けて、そのときはまだ脚本家が誰かということは意識していなかったんですけど、その次に『いつ恋』(いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう・2016年)にハマりました。セリフが素敵だなと思って、誰が書いているのかなと思って見たら坂元さんで、『Woman』も書いていた人ということがわかって、次に『カルテット』(2017年)にもはまって、『これも坂元さんだ!』となって、それから意識するようになりました」。

――なんだか好きな作品の傾向というか、女優としてやっていきたい方向性がわかります。

「坂元さんのサイン会やトークショーにも行ったことがあるんですよ」。


――ほんとに好きなんですね(笑)。近い将来、坂元ドラマで活躍する森さんの姿を楽しみにしています!

 


 
 

森七菜(もり・なな)

生年月日:2001年8月31日(16歳)
出身地:大分県(大阪府生まれ)
血液型:A型

【PROFILE】
2016年、「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタi」web広告(行定勲監督作品)でデビュー。2017年、ドラマ「東京ヴァンパイアホテル」(Amazonプライム・ビデオ/園子温総監督作品)、ドラマ「先に生まれただけの僕」(日本テレビ系)、映画「心が叫びたがってるんだ。」(熊澤尚人監督作品)、Rihwa「ミチシルベ」ミュージックビデオに出演。
 
【CHECK IT】
「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」(NHK)には5月12日(土)放送の第4話から出演し、第5話、第6話に出演する。学校でいじめを受け、スクールロイヤーの田口から重大な選択を求められる少女・山下未希役を演じる。「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」(テレビ東京系)には5月13日(日)放送の第7話に出演。

 
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