PICK UP ACTRESS 佐野ひなこ

PICK UP ACTRESS 佐野ひなこ

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「魔法少年☆ワイルドバージン」に出演
30歳で童貞の主人公が恋をするヒロイン役

 
 

――「童貞のまま30歳を迎えると魔法使いになる」という都市伝説がモチーフの映画「魔法少年☆ワイルドバージン」で、ヒロインのOL・秋山雪乃を演じました。ちょっと変わった作品ですね(笑)。

「あらすじを聞いた時点で『えっ?』みたいな(笑)。自分のシーンでも『吐血? はて……』となったんですけど、監督に『大丈夫です! CGで血を足します!』と言われたり(笑)。今までやったことのない全力でふざけられる映画で、面白かったですね」。

――コメディならではの演技の仕方はありますか?

「楽しいからこそ力が入るというか、より気を抜けない感じがあります。コメディはナチュラルにやったらいけない気がします」。

――今回、特に楽しかったシーンは?

「CMのシーンが好きです。一見ストーリーが続いているような入りから、自分たちの保険会社のCMに展開していて、ヒーローズの前野(朋哉)さんと芹澤(興人)さんがカッコよく見えました。3人でホウキに乗って、自分たちで揺らして飛んでるように見せるアナログな撮影の仕方も楽しかったです。グリーンバックで『これ、繋がるのかな?』と思っていたのが、映像になったらいい感じでした」。


――大変だったシーンもありました?

「私はさておき、マントヒヒの着ぐるみは真夏の撮影で暑かったでしょうし、ヒーローになった2人のスーツも風通しが悪そうだし、皆さんが汗をかいていて、本当に大変だったと思います。私は『普通の格好で申し訳ありません』というくらいでした(笑)。私をセクハラから守ろうとして殴られた前野さんも、鼻がべローンと曲がりすぎて……。私が血を拭くところで特殊メイクの曲がり方がヤバすぎて、笑いそうになりました(笑)」。

――マントヒヒは間近で見るとどんな感じでした?

「いやもう、すごいです(笑)。リアルに怖いし、芹澤さんのマントヒヒのお芝居が『どうしたらこんなに上手にできるんだろう?』というくらい、ケモノになられていました。他にも台本を読んで想像つかないお芝居ばかりだったのを、キャストの皆さんがすごく面白くやっていて……。(上司役の)濱津(隆之)さんが前野さんのビビビッという光線を受けて『ウッ』となるところも好きです」。

――ひなこさんが秋山を演じる上で意識したことは?

「『落ち着いている女性かな?』というのはありました。私が想像するOLさんはキラキラしていて、女子会を楽しみにしているようなイメージだったんです。でも、秋山は実は子どもがいて『育てなきゃ』という覚悟があると思いました」。

――天然でもあるんですかね?

「天然ですよね。『あっ、私、子どもいます』みたいに、重々しく打ち明けるのではなくサラッと言ったり。『星村さんって童貞なんですか?』って話すときとか、節々でキョトンとした感じが出て、ピュアなところがいいと思います」。


――子持ちの役は初めてでしたっけ?

「あまりなかったです。私には甥や姪もいなくて、ママの気持ちはわかりませんけど、子どもは好きですし、現場で接していると『かわいいなー』と思いました」。

――秋山は前野さんが演じる冴えない星村に、最初からやさしく接してました。

「ワイルドバージニアというヒーローが好きという共通点があって、天真爛漫に話し掛けていたんでしょうね。最初はただの同僚で、恋とかではなかったと思います」。

――それが変わってきて?

「そうですね。守ってくれたり、2人で逃げたり、ホテルでの場面もあって。『星村さんは私を意識してくれているのかな?』という感じから、ちょっとずつ『この人いいかも』となったと、私は捉えました」。

――ひなこさん目線では、星村のことはどう思います?

「私は前野さんが演じた星村さんがかわいくて、キュンキュンしました(笑)。ホテルのシーンで私が撮り終わってから、前野さんのシャワーシーンがあったんですけど、出来上がった映像で見たらかわいくて、『現場で見たかったな』と思いました(笑)」。

――そういう感覚があるんですか(笑)?

「男の人が1人でボソボソ言ってたり、ホテルに女の子と入って『もしかしたらこの後……』ってウキウキしているところを、盗み見するような感覚です。『男性ってこうなのかな?』と想像するのがキュンキュンしました。普段はそんなところを、のぞき見できませんから(笑)」。


――実際はひなこさんくらいきれいだと、男性も見た目から美しくないと恋愛対象にならなかったりしません?

「私はどちらかというと、オタクな感じの人がギャップを持っているとときめいたり、共通の趣味があって相性が合うほうが恋心になる気がします」。

――では、会社のマドンナ的な秋山が何をやってもダメな星村といい感じになるようなことも、あり得ると?

「星村さんは下心がなくて、『守ってあげたいんだ!』みたいなピュアな気持ちが、惹かれるポイントだったと思います」。

 
 

血ヘドを吐くくらい頑張って
中国語を勉強しています(笑)

 
 

――ひなこさんは劇中のワイルドバージニアのようなヒーローを好きになったことはありますか?

「男の子だと一度は通る道ですよね。女の子なら『プリキュア』とかでしょうけど、私は通ってないんですよね。ちょっと観たくらいで……」。

――テレビのヒーローでなくても、自分にとってのヒーロー的な存在とかは?

「身近な仲の良い年上の方たちは、そうかもしれません。たとえば、私が『こんな役は絶対できないよ』と嘆いているときに、『参考資料があるけど』って私を否定しないで相談に乗ってくれたり、それでも『自分が求めているものとは違う』となったら、どう向き合うか助言してくれたり、何度か助けてもらいました。私は落ち込むことが少ないからこそ、たまに落ち込んだときは全部、そういう大人の方たちが力になってくれました」。

――秋山は会社で「血ヘドを吐くまで頑張ります」と言ってました。ひなこさんは何かで血ヘドを吐くまで頑張ったことはありますか?

「今、血ヘドを吐くくらい、中国語の単語を覚えるのを頑張ってます(笑)」。


――Eテレの「テレビで中国語」に出演してますからね。

「レッスンに遅刻しがちで、15分くらい遅れて行っても、先生に『今日は早かったね』と言われます(笑)。『どうせ宿題はやってないですよね?』ということで課題を増やされて、めちゃめちゃ宿題が多くなりました(笑)」。

――結局、宿題は全部やるわけですか?

「はい。やっぱり覚えたい気持ちはあるので。中国語検定の4級まで取るのが目標なんです。5月に3級に受かって、そこからの壁が高くて。単語数が倍以上。文法も難しくなりましたけど、突破を目指して勉強中です」。

――もともと中国に興味があったんですか?

「なかったです。外国語は何もしゃべれなくて、英語は苦手だけど、中国語はまだ苦手意識も何もなかったからできるかなという感覚で始めました。趣味も欲しかったのと、中国に旅行したら日本よりハツラツとしていて、興味が湧きました」。

――番組で中国に行ったんですか?

「仕事もプライベートも含めて、上海や北京や広州にわりと定期的に行くようになりました。そこで現地の方とコミュニケーションを取ると、自分の語学の上達を計れます」。

――もう日常会話はできるくらいに?

「そうですね。でも、中国語は音の上げ下げで言葉が全然変わるので、通じていると思ったら、全然違う意味に伝わっていたこともありました。苦戦するからこそコミュニケーションを億劫がらず、トライ&エラーで勉強しています。お仕事に繋がって、中国の映画や雑誌に出られたらいいなというのもあります」。

――映画のキャッチコピーが「この世界に、愛はある」ですが、ひなこさんが最近、愛を感じたことは?

「私がインスタで『オリーブの木を買ったけど枯れちゃいそう。どうしたらいい?』とコメントを求めたんです。『水のあげすぎ?』とか『陽に当たってない?』とかいろいろいただいた中で、母からLINEが来ました。実家の庭にオリーブが1本なっていて、『継いで植えると実がなるんだよ』と。たぶん受粉するんですよね。それで母に『欲しい』と言われて、次の日に取りに来てくれて……。『育ったら返してね』と言ったんですけど、娘のインスタをいち早く見ていて、飛んできてくれたのは愛かなと思います(笑)」。

――そんな中で、この冬は何かお楽しみはありますか?

「鍋ですね。冬は毎日でも食べたいくらい。何の鍋でもいいですけど、火鍋は好きで、牡蠣も食べたいです」。

――料理はよくするんでしたっけ?

「今はたくさん食材を買って低脂質に作り置きして、毎日食べられるように小鉢にすることにハマってます。冷蔵庫が充実した感じになってます(笑)」。


――いい奥さんになりそうですね。10月に25歳になりましたが、たとえば20代のうちに結婚したいとか、ありますか?

「できるなら明日してもいいくらいの気持ちはありますけど(笑)、現実的には相手を探すところから始めないといけないですね。焦ったりはしてないので、いずれできたらいいなと思います」。

――20代後半にしておきたいことはあります?

「まず30代の方に『20代にやっておけば良かったと思うことは何ですか?』といっぱい聞きたいです。楽しいことをしていると時間が過ぎるのが早くて、たぶんあっという間に30歳になっちゃいますよね。そこも別に焦りはしませんけど、何かしておいたほうが良いことがあればやって、きっと30代になっても楽しいことをしていると思います」。

 
 


 
 

佐野ひなこ(さの・ひなこ)

生年月日:1994年10月13日(25歳)
出身地:東京都
 
【CHECK IT】
2012年に第37回ホリプロタレントスカウトキャラバンでファイナリストに選出。2013年にグラビアデビュー。2014年に女優デビュー。主な出演作はドラマ「水球ヤンキース」(フジテレビ系)、「デスノート」(日本テレビ系)、「コードネームミラージュ」(テレビ東京系 ほか)、「深夜のダメ恋図鑑」(ABC・テレビ朝日)、「人生が楽しくなる幸せの法則」(読売テレビ・日本テレビ系)、映画「探検隊の栄光」、「サクらんぼの恋」など。「テレビで中国語」(NHK Eテレ/火曜23:30~)に出演中。雑誌「with」(講談社)にレギュラー出演。映画「魔法少年☆ワイルドバージン」が12月6日(金)より公開。
詳しい情報は公式HPへ
 

「魔法少年☆ワイルドバージン」

詳しい情報は「魔法少年☆ワイルドバージン」公式HPへ
 

 

 
 
直筆サイン入り自撮りチェキ応募はコチラ⇒