SUPERB ACTRESS 山下リオ

SUPERB ACTRESS 山下リオ

PHOTO=河野英喜 HAIR&MAKE=松田容子
STYLING=道端亜未 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「君がまた走り出すとき」でヒロイン
市民マラソンから人生を再スタートする役

 
 

――市民マラソンが題材の映画「君がまた走り出すとき」にヒロインとして出演してますが、山下さんは普段、運動はしているんですか?

「得意というわけではないですけど、体を動かすのは好きで、幅広く運動しています。水泳や乗馬やボクシングをたまにしますし、この前は8時間かけて、山に登って降りてきました」。

――8時間の登山というと、ハイキングのレベルではなく?

「そうですね。最後はちょっと諦めかけましたけど、諦めたら山に取り残されてしまうので(笑)、必死に降りました」。

――なぜ山に登ろうと?

「私は徳島出身で海とか山とか自然に囲まれて育ったので、発散できる場所はやっぱり自然なんです。だから時間があると車で海まで行ったり、1日お休みだと遠出して山に登ったりはよくします。その8時間の登山も前日に思い立って、朝6時くらいに起きて行ってきました」。


――1人で?

「犬を連れて。よく犬と行動しています」。

――公式プロフィールの趣味には、デビューした頃からバドミントンが挙がってますね。

「アハハハ(笑)。それは更新しないといけないですね。クラブでやっていたんですけど、今は友だちと遊びに行ったときに、ちょっとやるくらいです。あとは、新体操を小学生から中2までやってました」。

――今回の映画では走るシーンがたびたび出てきますが、撮影に備えてトレーニングする必要はなかったわけですか?

「もともと走りたいときに走ってました。クライマックスで10kmを走るストーリーになっているので、『10kmってどんなものだろう?』と思って、クランクイン前に走ってみたんです。そしたら1時間くらいの好タイムで、『すごいね』と言われました(笑)。撮影で実際に10km走るわけではなくても、『走ろうと思えば走れる』と自信がつきました」。

――じゃあ、撮影で走っても、しんどいとかどこかが痛いとかはなく?

「なかったです。ランニングのシーンは朝に撮ることが多くて、みんなと走るのは本当に楽しかったです」。

――山下さんが演じた佳織は小説家を夢見つつ、お金がなくて、おばあちゃんの家に転がり込む役。演じやすいとか難しいとか、ありましたか?

「今回は結構どう演じるか迷いました。撮影に入る前の本読みやリハーサルでは、監督も『まだちょっと迷ってる』とおっしゃってました。だから、撮影が始まるまで不安が大きかったんですけど、その不安感が佳織の心の揺れとリンクするところがあって、だんだん馴染んできました。振り返ると、等身大でできた気がします」。


――迷いは何に対してだったんですか?

「監督が本読みの段階で佳織の声色とか些細な音程にこだわられていたんです。どれが正解かわからなくて、迷いました」。

――佳織は強気だけど見栄っ張りの女性に見えました。

「そうですね。共感できる部分はたくさんありました。辛いことから逃げたい。でも、夢は持っている……。何かこう、脳に体が追いついてない感じ。負い目を感じながらも努力するのはイヤというところに共感できて、最終的には深く考えず、現場で感じたままを取り入れていきました」。

――そんな佳織に共感したということは、山下さんにも辛いことから逃げたい時期があったんですか?

「というか、今もそうです(笑)。大変なことはやりたくないけど、やらざるを得ないからやる。そういう気持ちは誰にでもあるんじゃないかと思います」。

――小説家を目指して上京しながらフラフラしている佳織と違い、山下さんは女優として順調に活躍を続けてきましたが、時には心が折れそうになることも?

「あります。自分で順調だと感じたことはないですね。作品ごとに課題があって、満足したことは一度もありません。そもそも、あまり目立ちたいタイプではないんです。今でも『よくカメラの前に立っているな』と思います」。

――12年やってきても?

「だって、この(読者プレゼント用の)自撮りチェキも恥ずかしいから、ふざけて撮ることしかできませんでした(笑)。だから、一生この職業でいいのか、迷ったことは何回かあります。自分に覚悟がない状態でやるのも失礼なので。今はもう、この仕事が好きだし、やりたいという信念が芯にできたので、そこで揺らぐことはないですね」。


――劇中の佳織の心情に、自分でも覚えはあったわけですね?

「はい。私は新体操をずっと続けてきて、一生懸命やっていたつもりだったんです。でも、今思えば“つもり”だっただけ。全然上達していませんでした。試合に出ても毎回下位のほうで、悔し泣きをして……。だったら、もっと頑張ればいいのに、頑張った“つもり”で終わってました。たぶんもっと視野を広く持てていたら、もっと努力できていただろうし、努力しておけば良かったと今になって思うんです。だけど、ひと時ひと時を雑に生きてきてしまった。佳織もそういう雑な状態にいるところに、すごく共感しました」。

 
 

私も逃げ続けていた時期があって
自分を根本的に変えようとしました

 
 

――一緒におばあちゃんの家に住むことになった翔太(寛一郎)に、小説を書かないことで「そういうヤツに限って夢とか言ってるんだ」と言われ、平手打ちしたあとに「わかってるよ、そんなこと……」とうなだれたシーンは、佳織の心象を象徴するようでした。

「図星のことを言われたら、一番腹が立ちますからね(笑)」。

――そこで平手打ちが出る女性でもあって。

「あそこは私、結構本気で叩いたんですけど、監督に『いや、もっと。本気でやってる?』と言われました。その『もっと』というところに、監督が求めていた佳織のキャラクターがあったんだと思います。結局3回くらい叩きました。寛一郎さんに『ごめんね』と言いながら(笑)」。

――この映画は「人生では何度でも走り出せる」がキャッチフレーズの、やり直しの物語。どこかで何かをリスタートしたような経験は、山下さんにはありますか?

「あります。私は家族とかとの人間関係がうまくいかなくて、考えることもやめて逃げ続けていた時期があったんです。自分が素直になれなくて、すれ違ってしまう。それは自分自身を根本的に変えないと変わらないと思って、『ちゃんと向き合おう』と決意したのを覚えています。何年の何月に私は生まれ変わったと、はっきり実感がありました」。


――明確にある時点で変わったと?

「何かのお仕事をしている中で、いろいろな人と関わって、いろいろな話を聞いていくうちに少しずつ……。これというきっかけはないんですけど、ある時点ではっきり変わりました。10代の頃です」。

――映画の舞台になった川口には、どんな印象がありました?

「荒川の河川敷は走っていて本当に気持ち良かったです。マラソン大会のシーンは、本当にたくさんのエキストラの方が来てくださって、あの日は極寒だったのに、文句も言わず待ってくれました。私が走るシーンでは、声援を頼んでなかった方も『頑張れー!』と声を掛けてくださったのが本当に励みになって、ありがたかったです」。

――他に、撮影中の思い出はありますか?

「またエキストラさんの話になりますけど、本当にマラソンをやっている方に、フォームを教えてもらいました。私のフォームはちょっと独特みたいで、『肘は90度で真っすぐ後ろに引く感じで走る』とか熱心に指導してくれました。あとは、共演者が本当にみんな仲良くて、カットがかかったあともみんな役のキャラクターのまま。それぞれ等身大な感じで、居心地が良かったですね。日野さん役の長谷川初範さんがムードメーカーで、ずっと他愛ないおしゃべりをしていました」。


――おばあちゃん役の松原智恵子さんは大ベテラン。

「撮影に入るまでは戦々恐々というか、背筋が伸びる感じでしたけど、すごくフラットな方で、やっぱり映画のおばあちゃんのままでした。どこか掴みどころがなくてフワフワされていて、でも、すごくお上品。気さくに話しかけてくださったので、私からいたずらもしました(笑)」。

――大御所に何をしたんですか?

「ビックリさせるおもちゃをパッと見せました(笑)。『いやー!』となってましたけど、本当におやさしい方でした」。

――さっきリスタートの話をうかがいましたが、これから何かに向かっていきたいとか、ありますか?

「ずっとアクションに興味があって、ボクシングはちょっとやりましたけど、興味だけで何も手を出してない状態が続いているので、挑戦したいなと思います」。

――アクションをやりたいと思ったのは、何かの影響ですか?

「ミラ・ジョヴォヴィッチさんに影響を受けました。すごくカッコイイですね。拳銃や弓、バイクや車も好きなんです」。


――仕事関係以外で、やろうと思ってることはありません?

「幅広いことに興味があって、思い立ったらすぐやるタイプではあります。双子座流星群の極大日には、当日に友人を『見に行こう』と誘い出して、深夜12時ごろに出発して神奈川の山のほうまで行って、初雪も見ました」。

――本当にアクティブですね。

「船釣りにも行くようになりました。おじいちゃんが漁師さんだったので、いつか釣りはやりたいとずっと思っていて、やっとできた感じです。単純に魚を食べるのが好きで、釣ったら食べられることもありますけど(笑)」。

 
 


 
 

山下リオ(やました・りお)

生年月日:1992年10月10日(26歳)
出身地:徳島県
血液型:A型
 
【CHECK IT】
2007年に「三井のリハウス」のCMの12代目リハウスガールに選ばれて注目される。2008年にドラマ「ラブレター」(TBS系)、映画「魔法遣いに大切なこと」に主演。その他の主な出演作は、ドラマ「あまちゃん」(NHK)、「彼岸島」(MBS・TBS系)、「定年女子」(NHK BSプレミアム)、映画「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」、「シャニダールの花」、「寝ても覚めても」、舞台「コインロッカー・ベイビーズ」など。ドラマ「フルーツ宅配便」(テレビ東京系/金曜24:12~)に出演中。映画「君がまた走り出すとき」は3月2日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。「映画 少年たち」が3月29日(金)より公開。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「君がまた走り出すとき」

 
詳しい情報は「君がまた走り出すとき」公式HPへ
 

 

©2018川口市
 
 

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